乱と灰色の世界 6巻発売されました。
買いました。
感想です。
ネタバレあります。
嫌な人は気を付けてくださいね。


5巻はとにかく山場という感じでどきどきしましたよね。
6巻ではどうなるんだろうとドキドキワクワクしていました。

わたしはこの漫画の中で何が好きか、って、そりゃ、乱のことが一番好きなわけです。
彼女の天真爛漫でまっすぐなところが大好きなわけです。乱を見ているとなんだか元気になるし、彼女の身勝手さもそれはそれで彼女らしくって、応援したくなってしまっていました。

だからこそ、乱がただただ好きで仕方なかった凰太郎のことをとりわけ愛してやまなかったわけです。彼は、そりゃ、人として最低ですけれども。そりゃあね、女の敵って言われるような典型ですが。
ウーマンラッシュアワーの村本がゲスすぎて、目が離せないみたいな……(彼を見てるとなぜか、創作意欲がどばどばあふれてくるんですよね。)そんななんというか目が離せないやつでした。
凰太郎の唯我独尊ぐあいはそりゃあ目が離せなかったですよ。

それに、メガネかけてるしね。わたしはメガネ好きなので、メガネかけてたらすくなからず、オッとなるんですよね。メガネインテリとふわふわきらきら女子がいちゃいちゃしてるのなんて、そりゃあたまりませんよね。ハハハ

虫編になってからは、もう、凰太郎のそういうところも見られなかったわけですけれども、それでも、乱は必死になって頑張っていたから、もう一度この二人が幸せそうにしているところを、(厳密にいうと、乱が幸せいっぱいで、凰太郎は駆け引きしている感じだったから、幸せに満ちみちているみたいなときってこの二人にはなかったんですよね)見たいなーと思っていました。
まあ、見れましたけどね。存分に見せつけられましたけど。
でもやっぱりそこには幸せ以外のものが入りこんでいるわけで。
これまでの凰太郎よりも、6巻の凰太郎のほうが人間味あって、断然かっこよかったけどさー、でもやっぱり乱と、お別れっていうのがやっぱりさびしいし、悲しくてたまらない。

凰太郎は、乱にお別れを言わないことでその別れを認めない姿勢でした。これからは夢の中で会おうという言葉は、残していく乱への気遣いでもあり、自分の存在を乱の中に永遠に生かすような呪いのようにも思える。
凰太郎自身、乱との肉体的な、現世的な意味でもお別れを納得するための言葉だったんだろうな、とも思う。
「乱と灰色の世界」は、創作世界だから、作者がそこに死と生が交錯するような設定を盛り込めば、二人が再び会うことは容易だけど、登場人物である凰太郎は感知することがない。凰太郎は、虫によって超人的な力をその身に宿し、人間の世界を超越しました。そして、乱という幼い魔女によって、空っぽの身体でほんの数時間でも生きることとなった。そんな体験をした凰太郎であっても、わたしたちが生きる現実と同様に「死」を経験した以降の世界は未知です。
凰太郎はそのことを理解していたと思う。それは、乱が話したいことがあるというのに対してそれを聞き出そうとしていたから。命が尽きるときに、夢の中で会えると、仮に信じていたとしても、やはり自身の肉体に生命が宿っているというその状態で彼女の話を聞きたかったのだと思う。
凰太郎、かっこつけていても、その欲求を隠すことは無理だったんだろうなあ。そりゃ、ききたいよね。あんなにきらきらした笑顔で言われたらさあ。

でも、忘れてはいけないことがある。それは、やっぱり凰太郎は乱の魔法によって生かされていたということ。凰太郎の死は、乱の眠りとともにやってくる。つまり、離れていても、二人は見えない魔力によってつながっていたんだよね。
凰太郎は、本当に、死にたくなかったと思う。
乱という心の底から愛する人を見つけて、「生きることが楽しくなってきていた」んだから、それは当然だよね。
それでも、その死が乱の眠りと共にやってくるのなら、ああ、複雑だよねえ。愛しい人が、眠ってしまう瞬間とともに自分の死がやってくる。
 眠る瞬間の恐ろしさって、誰でも経験したことがあるのかなあと思うんだけど、それって自分が目を覚まさないかもしれないっていう「死」への恐怖とつながっている。
乱の眠りとともにやってくる、凰太郎の死。
怖くなかったはずないと思うんだけど、それでもその死が乱の、気持ちの良い眠りとつながることで、凰太郎は「これからは夢で会おう」っていうような乱の夢とつながるような言葉を残すことができたのかな、とも思う。

乱の魔力を介して、(乱は気づかなくても)その言葉は乱に伝わっていたかもしれない。
もしかしたら、そういうようなことが、新キャラの無庵が言っていたような魔力の結晶にあたえる力の一つなのかもしれないよね。
凰太郎の命は尽きてしまったけど、(今後どんな展開になるかわからないけどね!!!!!!)たとえ凰太郎が乱に「夢で会おう」なんていう言葉を残さなくても、乱の中で凰太郎は生き続けるんだろうなあ。

ああ、凰太郎。いっつもかっこよかったけど、最後はとりわけかっこよかった。
愛する人がみつかってよかったねえ。

これからも「乱と灰色の世界」、おもしろくなりそうです。
入江先生応援しています!!!

(全然関係ないけど、毎度毎度読者アンケートハガキが微笑ましくってニヤニヤしてしまう)